7日の日本市場で株式が急反発。日経平均株価の上げ幅は一時1000円近くに達し、3営業日ぶりに終値で4万円の大台を回復した。人工知能(AI)向け次世代半導体需要への期待感から東京エレクトロンなど半導体関連株が軒並み大幅高となり、国内金利の上昇傾向から銀行株も買われた。
円相場は対ドルで一時158円42銭と昨年7月17日以来、およそ半年ぶりの安値を更新した後、日本政府要人のけん制発言もあって下げ渋り。債券相場は前日に米国長期金利が上昇した流れを受け5年債利回りが一時2009年以来、30年債が10年以来の高水準を付けたが、昼過ぎに判明した10年債入札の結果が強めの内容で、午後は先物を中心に持ち直した。
株式
東京株式相場は急反発。エヌビディアが前日の米国市場で最高値を付けたことを好感し、東エレクやKOKUSAI ELECTRICが10%以上上げたのをはじめ、ディスコやアドバンテスト、レーザーテックなど半導体関連銘柄が軒並み急伸した。最近の内外金利の上昇傾向を受け、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株も高い。
野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは、株式市場では今年もAIに対する期待が高く、エヌビディアCEOの講演で来週以降に本格化するテクノロジー企業の決算に対する期待値も変わってくる可能性に言及。前日の日本株は国内金利の上昇が重しとなったが、「日本経済や企業業績は良好で、この程度の金利上昇に耐えられない状況ではない」とも話した。
東証33業種は電機やサービス業、銀行業、精密機器、機械、輸送用機器など19業種が上昇。海運業や鉄鋼、電気・ガス業など14業種は安い。材料銘柄ではパロマ・リームホールディングスが株式公開買い付け(TOB)を行う富士通ゼネラル、経営統合の検討事実が判明した太陽ホールディングスとDICが急伸。
外国為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=158円台前半と昨年7月以来の安値を付けた後、157円台後半まで下げ幅を縮小。金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけて円売りが強まったが、加藤勝信財務相が円安をけん制したことで持ち直した。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、財務相発言について「158円台で円安・ドル高が進みやすくなっていたため、いったん円売りの動きを止める意図があったのではないか」と分析。日本時間夜に発表される米国の求人件数や供給管理協会(ISM)非製造業景況指数を控え、円売りは一服しそうだと言う。
もっとも、三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、追加利上げに慎重な日本銀行の姿勢や米経済統計の堅調を背景に「円売り・ドル買い地合いは続きやすい」と指摘。あおぞら銀の諸我氏も、きょうの米統計が強い結果となれば、159円に迫る可能性があるとみる。